日本スターリングエンジン普及協会は、スターリングエンジンの実用化・普及を促進する目的で設立した 特定非営利活動法人(NPO)です。 スターリングエンジンの歴史は長く200年に及びますが、民生エンジンとしての実用化は困難を窮め、 今日に至りました。しかし、スターリングエンジンは長いトンネルを抜け、ようやく実用化・普及(量産) の時代を迎えています。
実際例として、2010年には、オランダMicrogen engine社が中国において1kW級フリーピストンスターリングエンジン発電機 の生産を開始しています。その用途は、家庭用コジュネレーション(CHP)ユニット、さらには木質ペレット燃焼CHPユニットが 主に挙げられています。 また、2013年には米国の先進的スターリングエンジン開発会社であったInfinia社の技術がイスラエルRicor社の設立した Qnergy社に移転され、7kW級フリーピストンスターリングエンジン発電機として米国において生産を開始しています。 その用途は、天然ガス移送パイプラインにおける天然ガスを用いた発電ユニットや、畜糞からの バイオガスを用いた発電ユニット等々、多くの分野で採用され、日本においても販売が開始されています。
スターリングエンジンの実用化・普及には、エンジン開発と同じように用途開発・未利用エネルギー利用技術の研究開発、 とりわけ市場の要求・用途にマッチしたシステムの提供が必要です。 その上、スターリングエンジンに関わる規格や法的整備、社会的理解の促進と利用環境の醸成が必要となりましょう。
日本スターリングエンジン普及協会は、スターリングエンジンの普及を目指し、普及に関わる種々の課題に取り組んでいきます。
NPO日本スターリングエンジン普及協会の主張
・・・バイオマス発電を可能とするエンジンの技術開発を・・・
1.
再生可能エネルギー特別措置法
「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」が成立し、 我が国においても再生エネルギー導入の法的環境が出来上がりました。 報道によれば、本法律の適用対象となる再生可能エネルギーは太陽光発電・風力発電・ 地熱発電が先行しており、実績の乏しいバイオマス発電は出遅れの感を否めません。
「NEDO再生エネルギー白書(平成22年7月)」においても、太陽光発電と風力発電は具 体的技術項目についてのロードマップが明確に示されているのに対して、バイオマスは “バイオマスエネルギー生成技術(バイオガス製造・ガス化・バイオマスデイーゼル燃料など 燃料生成技術)”に力点が置かれ、ソーラー発電や風力発電に類する新しいバイオマス発電 技術に関する言及がありません。強いて言えば、バイオマス発電技術は石炭火力への混焼 に触れられている程度です。これは、今日に至るも依然としてバイオマス、とりわけ木質 バイオマスを手軽に直接燃焼する発電技術(蒸気ランキンサイクルを除く)がなかった ためと考えられます。
2.
バイオマスの壁
これまでの開発経緯を見ると、木質バイオマスをエネルギー源とする発電技術には、 バイオマスの壁とも言うべき障害があり、その壁は高く、乗り越えるのは容易ではないこと を示しています。その代表例が“木質バイオマスのガス化”です。周知のように、これは ガス化燃料が既存のガスエンジンではタールによるトラブルに悩まされ、ガス燃料として 使えない状況が続いています。
何故このような状況に陥っているのか、一見理解に苦しむところではありますが、視点 を変えれば、既存のエンジンは石油燃料を活用した技術であるため、木質バイオガスに対 しては、アレルギー反応に類する拒否反応が起こるのではないでしょうか。
それゆえ、バイオマスエンジン開発には既存の技術にとらわれない取り組み方や考え方 が必要になるのではないかと考えられます。
3.
木質バイオマス直接燃焼による発電技術の可能性
NPO日本スターリングエンジン普及協会では、スターリングエンジンの改良・普及・啓蒙に努 めるとともに、一方では木質バイオマスを直接燃焼させて発電する新しい形式の外燃機関 としてKAIHOエンジンの開発に取り組んでおります。これはスターリングエンジンではあ りますが、「加熱器と冷却器をエンジン本体から分離」したことによって、スターリング エンジンの限界を取り除くことに成功しました。これはコロンブスの卵的発想から生まれ た単純な構造であり、あらゆる熱源とくに木質バイオマスをはじめとした乾燥バイオマス の直接燃焼発電を可能とする技術と考えており、目下実用化に向けて鋭意邁進していると ころであります。
4.
木質バイオマスを直接燃料とする新たなエンジン技術の開発を!
したがって、私どもは木質バイオマスを直接燃焼発電するエンジンの開発が可能である と考えています。その方法は私共が発見した方法以外にも存在すると思っております。バ イオマス、とりわけ木質バイオマスについてはスターリングエンジンの原理を超える必要が あると考えております。
我が国はスエーデンに比肩する森林王国であり、この森林資源の活用が国としてもきわ めて大きな意味を持っています。この森林資源を活用するためにも、特に政府及び行政機 関におかれましては、木質バイオマスによる発電技術の開発に目を向け、間伐材の活用を 促進する新たな発電技術の開発を誘発する政策・施策をお願いしたいと強く要望するもの です。
以 上
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2006.10
私的なスターリングエンジン勉強会である、「「スターリングエンジン研究会」発足
(防衛大学校名誉教授 鶴野省三の呼び掛け)。
2007.2
会員有志により、スターリングエンジンビジネス研究を開始。
2007.7
「第1回スターリングエンジン講演会(スターリングエンジンビジネスのフロンテイア)」開催
(東京都産業貿易会館)
2007.9
「日本スターリングエンジン普及協会」に名称変更し、特定非営利活動法人(NPO)に向けた準備に入る。
2008.2
特定非営利活動法人(NPO)設立発起人集会開催(都道府県会館)
2008.6
内閣府へ特定非営利活動法人認証申請
・NEDO「新エネルギーベンチャー技術革新事業」に採択された、新型外燃式エンジンの開発協力を開始。
2008.7
「アグロ・イノベーション2008(幕張)」に出展
2008.10
内閣府から特定非営利活動法人の認証
・同法人登記完了(2008.10.27)
・「第2回スターリングエンジン講演会(いよいよ動き出すスターリングエンジンビジネス)」開催
(10.28:都道府県会館)
2009.6
経済産業省「21年度ものづくり中小企業製品開発等支援補助金(試作開発等支援事業)」 に採択される。
・上記補助金による「新型式外燃機関試作第1号機(KAIHOエンジン)」を開発 (2010.6)
2009.10
「第3回スターリングエンジン講演会(わが国の廃熱スターリングエンジンの現状と展望」開催
(都道府県会館)
2010.5
「2010環境展」に新型式外燃機関試作第1号機(KAIHOエンジン)を出展
2010.10
「第4回スターリングエンジン講演会(スターリングエンジン実用化に向けて」開催 (都道府県会館)
2011.8
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 「H23年度・新エネルギーベンチャー技術革新事業(フェイズB)」に採択される。
・上記補助金による「新型式外燃機関試作第2号機(KAIHOエンジン)」を開発中
2011.10
「第5回スターリングエンジン講演会(未利用エネルギーへの挑戦」開催 (都道府県会館)
2012.10
「第6回スターリングエンジン講演会(スターリングエンジン事業開拓の現場報告)」 開催 (都道府県会館)
2012.3
(社)火力原子力発電技術協会「未利用エネルギー活用調査委員会」 (原子力・安全保安院電力安全課から受託事業)で検討された“スターリングエンジンの電気事業法適用緩和” が答申される。
2012.11
「第15回スターリングエンジンテクノラリー」後援
2012.9
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 「H24年度・新エネルギーベンチャー技術革新事業(フェイズC)」に採択される。
2013.8
上記NEDO補助金による「新型式外燃機関試作第2号機(KAIHOエンジン)」を開発し、 公開実験を実施。
2013.10
「第7回スターリングエンジン講演会(一色 尚次名誉会長追悼記念」 開催 (都道府県会館)
2013.10
一色尚次賞の創設発表(於、第7回SE講演会)
2013.11
「第16回スターリングエンジンテクノラリー」後援
〜現在に至る
日本スターリングエンジン普及協会は、環境保全、温暖化防止及び再生利用可能エネルギーの有効利用に対して大きな可能性を有するスターリングエンジンの技術、用途、商品システムの研究・開発を支援し、併せて広く普及・啓蒙活動を行い、省エネルギーの促進と循環型社会の実現に寄与し、併せて新産業の創生推進を目的としています。
当普及協会は、特定非営利活動に係わる事業として、次の各事業を行います。
・スターリングエンジンの用途及び商品開発・事業化の支援事業
・スターリングエンジンにおける新エネルギー利用技術の開発支援事業
・スターリングエンジン及びそれに関連する技術情報の収集・整理・発信に関する事業
・その他スターリングエンジンに関する普及・啓蒙事業
・海外に向けたスターリングエンジンの普及支援事業
・スターリングエンジンに関する各種コンサルテイング事業
・スターリングエンジン普及・実用化のための関係法規整備の促進
・その他、この法人の目的を達成するために必要な事業
当協会は、特定非営利活動促進法第28条の規定に基づく 「貸借対照表」の公告を行います。
・平成28年12月度貸借対照表
・平成29年12月度貸借対照表
・平成30年12月度貸借対照表
・令和元年12月度貸借対照表
・令和2年12月度貸借対照表
・令和3年12月度貸借対照表
・令和4年12月度貸借対照表
顧 問
山名 康裕
ジャーナリスト
神崎 康一
京都大学名誉教授
松尾 政弘
埼玉大学名誉教授
前川 孝昭
筑波大学名誉教授
理 事 長
濱口 和洋
明星大学名誉教授
副理事長
江川 正
日本スターリングエンジン普及協会事務局長
常務理事
楠 健治郎
中部支部長、(株)ケー・エス・ケー代表取締役
常務理事
石渡 草平
石渡コンサルティング代表
常務理事
森 慎太郎
テーブルホーンズ(株)取締役社長
理 事
関根 宗平
横浜製機(株)代表取締役
同
杉山 コ義
同
宮 嘉孝
(株)サンエム代表取締役
同
石井 邦彦
(株)ジャッド代表取締役
同
前澤 一男
サーモ技研株式会社代表取締役
同
高見 弘
芝浦工業大学工学部電気工学科教授
同
武田 明広
武田国際特許事務所
同
斎藤 正倫
(株)プロマテリアル代表取締役
監 事
楠 伸治
(株)ケーエスケー専務取締役
同
山根 早登
(有)グリーン・グリーン
主たる事務所:
〒101-0032
東京都千代田区岩本町1丁目12番1号
Tel: 03-6412-9964 FAX: 03-3294-5062
従たる事務所:
中部支部
〒444-1211
愛知県安城市根崎町東新切37 (株)ケーエスケー内
Tel・FAX:0268-82-5337
<お問い合わせ先>
事 務 局:
〒101-0032
東京都千代田区岩本町1丁目12番1号 KM千代田ビル2F
武田国際特許事務所内
Tel: 03-6412-9964
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(eco-stirling@kne.biglobe.ne.jp)
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