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プレゼンテーション概要 |
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T |
国内におけるスターリングエンジンの活用状況: |
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@ |
寒冷地における積雪を利用した発電システム |
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- |
(株)フォルテが取り組んでいる |
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- |
スターリングエンジンは Micrigen社製を使用 |
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- |
熱源を特定せず可搬型にすることによって、融雪をしながら発電を行うシステムを場所を選ばずに提供する事が出来る |
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- |
スターリングエンジンの利点は; |
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i) |
木質ペレット、ガス、石油等々使用出来る燃料(熱源)を自由に選べること、更には |
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ii) |
温水と電気を同時に得ることが出来ること、であり |
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上記積雪利用システムは、これらの利点を活かした実現例である(下図参照) |
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積雪発電のメリット |
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1) |
電気を使わず、むしろ生み出す |
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2) |
設置に大きな手間がかからない |
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3) |
メンテナンスフリー |
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4) |
熱源を選ばない(ガス、木質ペレット等) |
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5) |
可搬型が可(持ち運びが容易) |
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6) |
融雪方式を選べる (ロードヒーティング 又は 散水式) |
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施 工 例 (1) |
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KIRA社ペレット燃料ガス化燃料SEを用いた積雪発電
(於:ニセコ東急グラン・ヒラフ) |
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燃料:木質ペレット⇒ガス化⇒Microgen SE
性能:発電量1.0kWe⇒1.2kWe, 供給熱量6kWth, バイオ炭0.2kg/h |
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施 工 例 (2) |
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プロパンガス燃焼によるSE発電⇒1kWの発電+既設ロードヒーティングとの切替融雪(青森)
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施 工 例 (3) |
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青森駅における複合施設A-FACTORY裏駐車場の積雪発電のイメージを示す(上図)
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そのA-FACTORY裏駐車場での積雪発電と融雪の模様(左図)
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施 工 例 (4) |
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雪を使ってお湯と電気を生み出す「積雪発電」 ⇒ 青森のIT企業が開発
・・・融雪への活用にも期待が寄せられている |
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A |
木質バイオマスを活用した小規模分散型エネルギの創出と観光振興プロジェクト |
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- |
スターリングエンジンは Qnergy社製を使用 |
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- |
東京都八丈島において実施(2020年11月23日〜12月20日) |
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- |
島内で活用されていない木材資源(ロべの木・伐採木・剪定枝等)を有効利用 |
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- |
観光交流施設に電気・お湯を提供(食事や足湯への利用) |
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拡大図表示 |
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B |
木質バイオマスボイラーを活用した小規模発電の創出 |
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- |
スターリングエンジンは Qnergy 社製を使用 |
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- |
木質バイオマスボイラーは、アーク日本製「ガシファイアー」を使用
出力:60〜75kWth、燃料消費量:18〜23kg/h |
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- |
可搬型の着脱式リチウム蓄電池を採用 (エネルギーの島製「エネアイループ」)
着脱式リチウム蓄電池……蓄電容量:0.777kWh |
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C |
道路の除草・剪定枝の焼却発電試験 |
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- |
国土交通省の補助事業で小型流動床燃焼炉を用いた発電試験 |
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- |
スターリングエンジンは Qnergy 社製を使用 |
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- |
給湯と給電とのCHPシステム |
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試験実施は静岡県 |
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- |
設計・製作……ADMIECOエンジン設計(株) |
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拡大図表示 |
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D |
プラネン燃焼スターリングエンジン発電 |
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- |
スターリングエンジンは Qnergy 社製を使用 |
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- |
発電能力:2〜3kWe (max 4.5kWe) |
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- |
温水供給装置はプロトタイプ |
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- |
特徴:灯油・重油燃焼火炎と類似 (高輝度燃焼) |
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- |
設計・製作……ADMIECOエンジン設計(株) |
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E |
発電融雪利用の木質ペレット燃焼発電給湯システム |
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- |
スターリングエンジンは Qnergy 社製を使用 |
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- |
企画・設計:(株)エコステージ |
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拡大図表示 |
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U |
農業廃棄物のガス化・炭化、その利用SE発電システム: |
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はじめに; |
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バイオマス案件に取り組む理由〜ニーズと背景 |
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◎ |
国・政府からの要求 |
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- |
CO2、GHG排出削減目標を達成したい |
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- |
エネルギーの多様化、分散化を図りたい |
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- |
地域資源であるバイオマスの普及を促進し、間伐も進めたい |
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◎ |
地方自治体・市町村からの要求 |
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- |
産業・雇用を創りたい |
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- |
税収は増やしたい |
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- |
CO2を削減し、削減目標を達成したい |
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- |
環境対策、防火対策はしなければ・・・ |
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◎ |
ユーザ/施設・住宅からのニーズ |
◎ |
森林組合・林業者・農業生産者からのニーズ |
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- |
燃料コスト(光熱費)を安くしたい |
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- |
安定的に間伐したい |
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- |
補助金を使えるなら、導入してみたい |
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- |
木材・燃料を安定的に通年販売したい |
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- |
環境に良いことをしてみたい |
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- |
木質ペレットをもっと売りたい |
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- |
停電時の対策をしておきたい |
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- |
農業廃棄物を適正に処理活用したい |
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これらの要求事項・ニーズを背景に、天然ガスやバイオマス資源を燃料とした家庭用分散型発電・給湯システムの構築を
従来型システムに比べて格段の省エネ・低コスト・環境負荷への低減(CO2削減)とともに実現すると同時に地域産業の活性化や
雇用創出効果名並びに森林整備効果を齎している実施例とそのプロセスを紹介したい |
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@ |
バイオマス燃料の熱分解ガス化へのプロセス |
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熱分解ガス化とは、有機物を酸素がない環境下で高温で加熱し、
熱分解のプロセスを経てガスを生成することをいう。
このプロセスでは、酸素が存在しないか、非常に少ない条件下で有機物を分解するため、
生成されるガスは主に炭化水素系の軽いガス(メタンやエチレンなど)や水素、
一酸化炭素(CO)などの化学的にエネルギー価値の高いガスとなる。
また熱分解ガス化は、酸素や水蒸気を利用する一般的なガス化と似ている部分もあるが、
酸素供給のレベルが低いため、生成されるガスの組成や副産物が一般的ガスとは異なる((固体や液体のタール、炭など) |
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A |
熱分解ガスによる発電と熱供給 |
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熱分解ガスの生成には“熱分解ガス化炉”が使われる。ダウンドラフト式ガス化炉に於ける
熱分解ガスの生成プロセスを下図に示す |
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バイオマス燃料は、フィーダー(燃料投入口)からダウンドラフト式ガス化炉に投入される |
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・ |
上部から投入された燃料は下部に流れ、ガス化炉内では、乾燥→熱分解→酸化→還元の層が形成されて
高温可燃性ガス(乾留ガス/シンガス)が発生し、抽出される |
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・ |
抽出されたガスは、ガス浄化システム及びガス冷却システムを通過してガスエンジン発電機に投入されて発電が行われる |
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・ |
ガス冷却部及びエンジン冷却部から余熱を回収することによって、熱を利用出来ることでCHPシステム(Combined Heat and Power;熱電供給)
としての稼働が可能である |
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・ |
同時に副生成物として発生したくん炭(バイオ炭)は土壌改良剤として農業利用出来るだけでなく、
燃料として製鉄会社等へ販売することも出来るため、原材料を余すことなく最後まで有効に利用できる |
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バイオマス燃料を用いた熱分解ガスによる発電・熱供給の一例をを下図左に示す。また、下図右は
熱分解ガス炉の後段にボイラーを接続し、より発電能力を高めたシステムを示す。
その実際のシステム(バイオマスガス化スターリングエンジンCHPシステム)構成例と稼働状況をその下に示している |
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拡大図表示 |
拡大図表示 |
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Biomass Gasifilication For Boiler System |
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拡大図表示 |
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HAIQI MOBILE ENERGY STATION |
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拡大図表示 |
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B |
競合比較:バイオマスガス化スターリングエンジンと内燃機関との比較 |
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- |
バイオマスを燃料とした場合、その対象は、木質チップ、木質ペレット、もみ殻、木くず、廃材、農業廃棄物、等々
様々なバイオマス資源を燃料として採用することが出来る |
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- |
一般的にバイオマスガス化スターリングエンジンは工事も殆ど不要でメンテナンスも容易である |
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- |
静粛性の点でスターリングエンジンは内燃機関に勝る |
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- |
以上の点を勘案すれば、・燃料の多様性、・ガス条件、・メンテナンス性、・静粛性、
の観点からバイオマスガス化スターリングエンジンは内燃機関に勝る点が多いと云える |
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- |
一方内燃機関は大型化によるスケールメリットを利点とすることが出来る |
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項 目 |
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スターリングエンジン |
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内 燃 機 関 |
対応する燃料 |
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様々なバイオマス材料
プラスチック系も可 |
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ガソリン、天然ガス等 |
メンテナンス性 |
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オイル交換なし、工程少ない |
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1000メンテ
オイル・バグフィルタ交換
工程多い |
発電効率 |
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やや低い(運転条件による) |
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やや高い |
騒 音 |
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静か |
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有り、静かな場所では難しい |
熱利用のし易さ |
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スターリングエンジン後にボイラー設置により温水・蒸気が可能 |
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ガス冷却、エンジン冷却の2系統から温水利用が可能 |
コストパフォーマンス |
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熱利用可能であれば事業採算性高い |
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事業採算性は低い |
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C |
【国内に於ける実施例】 |
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1) |
北海道十勝地域での豆殻炭化処理システム |
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プロジェクト名 |
バイオマス熱分解炭化+スターリングプロジェクト |
目 的 |
バイオ炭と電力を生産 |
原 材 料 |
豆殻 600トン/年、水分含有量40〜50% |
原材料処理 |
前処理としての粉砕は不要 |
原材料投入量 |
47〜57kg/h(含水率<15%) |
稼働時間 |
7500h/年 |
バイオ炭生産量 |
15kg/h |
発 電 量 |
20〜25kW/h |
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豆殻炭化処理フロー |
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豆殻炭化処理機器構成 |
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2) |
八郎潟町へのもみ殻活用提案 |
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【提 案 趣 旨】 |
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- |
もみ殻を燃料として使用し、バイオ炭(燻炭)の製造と発電及び熱供給を行う |
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- |
もみ殻を熱分解炉で炭化し、プロセスで発生したガス(乾留ガス)をバーナー燃焼によりスターリングエンジンの受熱部を加熱し
スターリングエンジンにより発電を行う。同時に廃熱及びエンジン冷却水からボイラー同様の熱供給も可能である |
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【特 長】 |
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- |
燃料の多様性; |
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もみ殻だけではなく稲わらも燃料として利用が可能である。従来のガス化発電では木質以外は難しく、
また蒸気タービンでは小型化が出来ない |
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- |
もみ殻の価値の最大化; |
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バイオ炭の製造、Jクレジットの取得(脚注)、発電、熱供給等を全て行うことが出来る |
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- |
メンテナンスが容易; |
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従来のガス化発電ではガスの清浄化と冷却が必須だが、本システムでは不要。
また、スターリングエンジンはエンジンオイルを使用しない為、オイル交換も不要 |
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- |
災害対策用として非常に有効; |
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シンプルかつガス化炉、およびスターリングエンジン発電機のメンテナンス性が低いので非常時にも信頼性が高い |
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- |
コンテナ方式のため、設置・移動が容易; |
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設置のためのコストが安価であり、且つ非常時の導入にもすぐに対応が出来る |
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- |
音が静かで設置場所を選ばない; |
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スターリングエンジンは内燃機関と違い、爆発工程がないためのエンジン音がない |
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※ |
Jクレジット制度:温室効果ガス排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認証する制度 |
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D |
【海外に於ける実施例】 |
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1) |
スウェーデンの30KWスターリングエンジン(GAIA E30) |
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- |
GAIA E30 は、スターリングエンジン技術を活用した
電気と熱を供給する効率的なエンジンシステムで、装置も拡大縮小が自由となっている |
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- |
本システムの機能・性能仕様の概要を下表に示す |
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公称出力 |
30kW |
空気消費量/時 |
10Nm3/30kWhe |
供給空気圧 |
3−5 BAR |
PCU効率 (ガス-電気変換) |
>30% |
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電気出力 |
400V 3相交流 |
出力周波数 |
50/60 Hz |
CHP効率 |
>80% |
外形寸法 |
1.35 x 0.9 x 1.0 M |
重 量 |
750 Kg |
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- |
GAIA E30 の技術的特徴としては; 斬新な熱力学世代の科学的解決法を採用していること、水素ガスや生物ガスを用いる独特な燃焼システムは
カーボンニュートラルや窒素酸化物放出ゼロの実現に大きく寄与していること、等が挙げられる
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- |
GAIA E30 の操作並びに保守について; 最小限の人力操作で自律的な運転が可能となるような設計が採用され、
機構上も可動部分が極力少なくなるような構造となっている。燃料用バルブを設けない、或るいは燃焼室を内部に設けない、
等々堅固な構造となっている。発電ユニットの操作は、中央操作システムからの指令に基づいて行われ、
これらの監視や保守に関してもオンラインよる自動監視や自動検査が適宜行われる
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- |
GAIA E30 はシステムとしての拡張性にも優れている。
20フィート或いは40フィートのコンテナに収容することで出力容量の増大が容易に可能となる。
20フィートコンテナには8ユニット、40フィートコンテナには16ユニットの GAIA E30 が搭載可能である。
又コンテナを使用することで、システムの輸送並びに現地設置に係る時間を大幅に短小することが出来る
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- |
下図上段左に、GAIA E30 の単体システム外観を、同上段右に40フィートコンテナ実装時の姿を、
同下段に移動式発電基地の外観を、それぞれ示す
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V |
フリーピストンスターリングエンジンのための実用的な簡易型コンバータの開発と
高性能化を実現する超低ひずみコンバータの開発と応用: |
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| @ |
簡易型コンバータ開発への経緯 |
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- |
近年,甚大な地震による災害や地球温暖化が原因とみられる風水害などが頻発するようになってきた |
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- |
災害を防ぐことは重要な課題であり,災害後の支援も重要な課題と考える |
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- |
台風災害被災を契機に、木質バイオマスSE-PV電源車(脚注※)の開発に進み現在に至っている |
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- |
このSE-PV電源車には非常時の24時間体制に於いて安定的給電を行う為にスターリングエンジン発電機(SE)に加え
太陽光発電パネル(PV)、並びにリチウム-イオン蓄電池(Li-ion)が装備されている |
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- |
SE-PV電源車の改良を重ねる過程において、SE-PV電源車の性能を最大減発揮させる為には
高性能で制御性能の高い正弦波交流電源(正弦波の制御電圧減)が不可欠となった |
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- |
また同時に、機器に組み込まれている変換器(各種コンバータ/インバータ)は重要な要素技術として位置づけられている |
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※SE-PV電源車; |
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SE-PV電源車の概要については
第5回「SE勉強会」報告(活動報告No.27)をご参照下さい |
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A |
解決すべき課題とその取り組み(研究課題) |
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- |
木質ペレット燃焼加熱による温度操作に伴う問題点; |
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1) |
温度変化が脈動する為に温度コントロールが大幅に遅れ、結果的には集中制御が出来なくなってしまうこと |
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2) |
エンジンへの加熱温度が、非最小位相系システムの為に燃料供給量と比例したものではなくなること |
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3) |
燃料の燃焼温度と加熱炉温度との間の関係は非直線的である |
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以上の3点から、加熱炉の温度を燃料のマニュアル操作でコントロールすることは非常に困難である、と言うことが出来る |
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- |
フィードフォワード制御とPD制御(比例微分制御)を結合させた自動化システムを開発することによって、
この温度コントロールを自動的に行うことが出来るようになり、上記の問題点を解決することが出来た。図1にその原理図を示す |
【図1】SE発電に於ける温度制御原理図 |
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- |
 【図2】SE発電の基本接続 |
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一般的に、FPSEG(フリーピストン型スターリングエンジン発電機)は、低速・小ストロークで動作するため
コイルの巻数が多くリアクタンス効果が大きい。そのため図2に示すように力率改善キャパシタC1を介して電源接続されている |
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- |
同時に、高調波の影響を受けやすいのでLCローパスフィルタ(LC-LPF)を付加した双方向AC/DCコンバータで
制御される。またFPSEGは無負荷になると内部エネルギーは行き場を失い暴走に至るのでコンバータに障害などが生じないよう
自動で保護抵抗に切り換え過剰エネルギーを放出させる。また、蓄電池が満充電になると直流中間電圧上昇するので放電抵抗によって
余剰電力を消費する構成を取っている。図3はSE-PV電源車に採用されているSE発電のシステム構成例を示す |
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【図3】SE発電のシステム構成 |
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- |
図4に、燃料に灯油を使用したFPSEG発電の基本特性を示す。この時の接続回路は上部に示した「SE発電の基本接続」に従った。
印加電圧ν2の実効値V2をパラメータとしている。図中(a)は高温部の温度推移、(b)はFPSEG1の出力の推移である。
V2を適切な電圧(170V)に設定すればFPSEGの高温部は上限温度500℃を超えることなく最大出力が持続的に得られることが分かる。
更に、詳細な理論珪砂により供給熱量に応じて最大出力が得られる最適な電圧(MPPT条件)が存在することが明らかになっている。
また、この時使用した実験装置を参考図として示す
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※MPPT条件; |
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MPPT(Maximum Power Point Tracking)とは、最大電力点追従制御のこと。
発電する時に出力を最大化できる最適な電流×電圧の値(最大電力点、あるいは最適動作点)を自動で求めることができる制御方式のこと |
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【図4】印可電圧X2の実効値に対するSEの基本特性 |
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【参考図】FPSEGの基本特性を調べるための実験装置 |
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B |
研究成果(中間) |
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直列共振型FPSEGの電気的な特性を実験と線形近似モデルの検討により、つぎのことが明らかになった |
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1) |
SEの出力は基本的に高温部と低温部の温度差に比例する |
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2) |
SEの出力は高温部の温度に対して飽和特性をもつ |
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3) |
SEの出力は印加電圧の増加に対して有効電力は減少傾向にある |
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4) |
印加電圧の増加に対して高温部の温度が耐熱温度を超えない制限を加味すればSEの最大出力を得る最適な印加電圧が存在する |
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5) |
印加電圧の増加に対して、,SEの高温部の温度は減少する |
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供給した熱量に対して、供給電圧を適切に与えることにより、エンジンの耐熱温度の制限のもとでFPSEG本体の過熱が抑制され、
かつ最も大きな出力が得られる供給電圧が存在する |
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|
C |
次なるステップに向かって(新たな課題) |
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|
技術的バックグランド |
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- |
SE発電システムにおいて、最大出力で安定かつ持続運転を可能とするためには正弦波の制御電圧減が不可欠である。
図5に、この為に開発されたLCローパスフィルタ回路(LC-LPF)を付加した単相コンバータの主回路を示す。
この付加されたLCローパスフィルタ回路は、PWM(Pulse Width Modulation)キャリア高周波を除去するためのものである |
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【図5】アクティブLC-LPF付単相インバータ |
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- |
更にこのアクティブLCローパスフィルタ付き単相インバータのアクティブ最適電圧制御プロッタ線図を図6に示す。
ILQ Servo Contoroller はフィードバック制御となっており、2自由度サーボ系構成している。
又このILQ制御は、(1)ゲイン余有無限大、(2)ゲイン減少 50%、位相余裕±60°の特長を有している。
ゲインKF0,IF0は基準最適ゲインと呼ばれもので、Σはゲイン調整パラメータを示している |
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【図6】アクティブLC-LPF付単相インバータの最適電圧制御図 |
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- |
上述のアクティブLCローパスフィルタ付き単相インバータの実験結果を図7に示す。Vuvはインバータの出力電圧であり、
V0は負荷電圧である。VuvはPWMのパルス巾であるがV0はほぼ完全な正弦波になっている。
時刻2msで振幅を2倍にした正弦波電圧指令に負荷電圧は非常に良好に追随していることが分かる |
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【図7】電圧波形(上:インバータ、 下:負荷) |
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- |
アクティブLC-LPF付きPMSMの制御 |
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IRM-ILQ制御に基づくアクティブLC-LPF回路を付加した
PMSM(Permanent Magnet Synchronous Motor:永久磁石同期電動機)の駆動回路を図8に、速度制御の実験結果を図9に、それぞれ示す。
図9aは速度指令に対する実速度、図9bはモータの端子電圧である。PMSMの4象限加減速運転において、歪の少ない正弦波電圧駆動が実現出来た、
これにより、高周波PWMパルス電圧の立ち上がりを大幅に抑制することが出来るのでEMI問題への対応が可能となる |
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【図8】アクティブLC-LPF付きPMSM駆動回路 |
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【図9a】モータ速度 |
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【図9b】モータの端子制御電圧 |
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燃焼炉温度の安定化と発電出力の向上 |
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- |
スターリングエンジンはカルノーサイクルに従って作動し、その出力は高温部と低温部の温度差が大きいほど出力が大きい。
従って、高温部の温度を安全な状態を保証しつつ上限温度にできるだけ近づける必要がある。 |
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- |
これを実現するためには燃料投入時や外乱に対して燃焼炉とスターリングエンジンの高温部の温度の脈動を抑制して平均温度を
上限温度に近づけるための制御方法を確立しなければならない。
図10に、下記に述べる燃焼実験委おける燃焼炉温度とSE高温部温度の測定例を示す。
温度測定のセンサー位置は図11を参照 |
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- |
今回の温度コントロールシステム探求にあたっては、先に述べた "SE電源車"を使用した。
搭載されているスターリングエンジン発電機はMEC社製のFRSEG(フリーピストン型スターリングエンジン発電機)で、
燃料は木質ぺレットで燃料箱から燃料フィーダーにて燃料炉に運ばれている。このシステムの構成・構造は、同電源車の
構成図を参照されたい |
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【図11】温度センサー位置 |
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- |
バイオマス木質ペレットの燃焼特性は次の述べる特徴を有する; |
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イ) |
熱分解:燃料に含まれる揮発性成分(炭化水素)が熱によって気化する |
【図12】燃焼と燃焼炉の温度の関係 |
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ロ) |
吸熱効果:燃料は炉内の温度よりも低い温度で投入されるため、燃焼開始前に炉内の熱を吸収する |
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ハ) |
非最小位相システム:即ち、このプロセスは非最小位相系システムといえる |
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ニ) |
右図(図12)に示すように、燃料投入によって直ちに炉内温度は上がらず一旦下降した後に上昇する |
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注:非最小位相システムとは不安定なゼロ点を持つシステムで、ゲインを上げると不安定になる |
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- |
燃焼炉の温度コントロールは非最小システムにより不安定になり脈動を起こし易い。この脈動対策として以下の抑制法を取り入れた。
これらの一連の流れを図13に示す |
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1) |
自動燃料投入 |
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2) |
ブロア風量を調整 |
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3) |
手動と自動の切り換え |
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4) |
長時間連続運転 |
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5) |
設定温度を調整可能 |
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6) |
オフセット機能を導入 |
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【図13】燃焼炉温度の脈動抑制法(フローチャート) |
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燃料の投入制御(PD-FF制御) |
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木質ペレットを用い燃焼温度の立ち上がりに大きな遅れが生じているシステムにおいて、
PI制御(積分コントロール)を採用すると脈動が大きくなることが知られている |
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従って、燃焼システムの温度制御ではPD制御(微分コントロール)が採用されている |
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図14は、温度コントロールシステムの構成を伝達関数で表したものであり、このシステムは直接フィードフォワード制御のもとで
PDコントローラの動きを補っている。同時に、システムの出力を利用して出力偏差の補正も行っている |
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【図14】温度コントロールシステム |
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ブロア風量制御 |
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図15に風量制御の模式図を示す |
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【図15】風量コントロールシステム |
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リレー動作1:1,2端子に導通
DC-DCコンバータ制御 ⇒ 最大出力モード...24V最大風量 |
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リレー動作2:3,4端子に導通
ブロワーコントローラ制御 ⇒ 13−20mA電流範囲内...ブロア風量調節可能 |
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実験結果を図16に示す。同図上は手動で風量を調整した場合の実験結果であり、同図下は自動で風量を制御(BangBang制御)した場合の実験結果である
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【図16】風量コントロールシステム実験結果 [上]:手動制御 [下]:BangBang制御 |
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燃料の投入制御に加えブロワの風量制御によって、燃焼炉の温度脈動が抑制できることが分かった。
手動制御による効果が絶大であったので、従来の制御法だけではなくAIなどの導入による改善が期待できる |
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一方自動制御においては、900℃以上では自動燃料投入と風量制御がかみ合わず脈動が大きくなっている。
燃料投入量およびゲイン等の調整を検討すると同時にPD-FF制御を含めた新しい制御法の見当も課題となっている |
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電源システムと温度コントロールシステム |
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図17にSE-PV電源車に使われている電源の回路例を示す。同図において、PINはスターリング発電機から出力される
電力を示し、次段のAC/DCコンバータ,双方向DC/DCコンバータで直流に変換された電流がiSEGで示されている。
また、太陽電池からの出力電流をiPV,Li-ionバッテリへの充電電流をiBT,外部負荷への供給電流を
iLと、それぞれ表している |
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【図17】電源構成図 |
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また同図において、スターリングエンジンからの交流発電出力は直流に変換されるが、この時AC/DCコンバータを介することで
DC330-400Vまでアップされ、次段のDC/DCコンバータによってDC48V迄引き下げられている。
この一連のDCラインの流れの中でDC電圧を安定させ為にDCリンクキャパシタがAC/DCコンバータとDC/DCコンバータとの間に
設けられている
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DC-DCコンバータの出力(PSEG)は太陽電池の出力(PPV)と共にLi-ion電池に蓄電される。
と同時に外部負荷用DC/ACインバータを介して外部機器への負荷電源としての役割をもつ。同時に図中右上に示されている付加機器にも
接続されている。付加機器とは、PLC、ポンプ、フィーダ、モータ、ブロワー等を指す |
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エンジン加熱部温度が十分安定すれば発電機は約600Wの出力を行うので太陽電池出力の300W超を加えれば
負荷が接続された状態でも1kWを超える出力が可能である |
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蓄電池へに充電電流は最大20Aとされているので、充電電力が300Wを超えそうになった場合は、保護回路(Discharge Unit)内の
抵抗を通して余分な電流を消費させている |
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図17のシステムで使用されているSE発電機はMEC Corporation製でそのアウトラインを表1に示す。燃料には木質ペレットが使われ、
燃料供給システムは、SE電源車システム構成図を参照されたい。
また温度センサーの位置は図11に示されている通りである |
【表1】1kWFPSE発電機 |
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実際の使用を想定した(天候,負荷etc.)実験を繰り返した結果、図18〜図21に示される情報を得ることが出来た |
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今回行われた実験では、図18に示されるように実験過程は6つのモードに分けられる。図中、ローマ数字で示される
I〜VIの各文字がモードの識別番号である |
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モードTは、LC-LPF付きAC/DCコンバータへの置き換えともいうべき"前世代FRSEG"状態のモードである |
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モードUは、無負荷での運転状態に入っているモードである |
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モードVは、負荷が徐々に増えている段階であるがバッテリへの充電電流が上限の6Aには届いていないモードである |
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モードIVは、バッテリへの充電電流が6Aを超え、且つ重負荷ではあるがまだ正常運転が出来る状態のモードである |
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モードVは、過重負荷が連続的に続いている状態のモードである |
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モードVIは、過重な負荷を取り除き正常運転が可能なより軽い負荷に差し替えられて運転しているモードである |
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スターリングエンジン運転条件の違いによる各モードの状況を図18〜図20に示している。
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図18が示すように、発電機出力が安全運転条件を越えた時には放電回路が動作し、DC-DCコンバータ出力は300W以内に維持されている
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図19並びに図20では、実際の気象条件下における変動、例えば太陽光発電の変動や負荷の変動があっても装置の運転操作が
出来ることを明示している |
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【図18】モード別SE発電出力特性(1) |
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図18左は、LC-LPF付きAC/DCコンバータへの有効入力電力の経過を示し、
図18右は、DC/DCコンバータからDC電源バス(48V)へ出力される実効電力の経過を、それぞれ示す
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【図19】モード別SE発電出力特性(3) |
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図19は、DC/DCコンバータからDC電源バス(48V)へ出力される実効電力の経過を示す |
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図20左は、DC電源バス(48V)から外部負荷に供給される消費電力の経過を示し、
同図右は、DC電源バス(48V)からバッテリへの供給電力の経過をそれぞれ示す |
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【図20】モード別SE発電出力特性(4) |
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現在のPD制御とPD-FF制御を比較すると、両者の間には温度調節や電源効率の点で大きな違いが認められている。
温度変化については、FPSEGの両サイドの温度(TSEG:図11参照)については図21を、
同バーナー温度(TB:図11参照)については図22を、それぞれ参照のこと。
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PD制御とPD-FF制御との間における改良点は、図21と図22の図中に示されている黒枠部分を参照されたい
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この比較から明らかなように、PD制御単体では短時間内で脈動を引き起こすこと、且つ充分に抑え込むことが出来ないことから、
電源制御の安定性並びに効率に関して大きな影響を与えることになる
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【図21】PD制御の違いによるエンジン温度の比較 |
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 【図22】PD制御の違いによるバーナー温度の比較 |
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PD-FF制御の導入によって、温度の安定性が増大し最終的なFPSEGの制御システムになり得ることを示している
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この制御方法は、発振を遅らせたり縮小させたりする他に、安定して使用出来る温度範囲の上限を
350℃から400℃迄上げる事も可能にした
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400℃においては不規則変動が観察されているが、これはゲイン調整で削除出来ている |
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派生される変動によって起こる発電性能の悪化(効率並びに安定性)を招くPD制御とは異なり、
これらの悪化の要因となる不規則変動を抑制する為、PD-FF制御は発電の効率や安定性に優れている |
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C |
総 括 (まとめ) |
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