◆平成27年度第9回スターリングエンジン講演会開催
…スターリングエンジン普及に向けて… |
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2015年10月23日 | |
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第9回スターリングエンジン講演会が平成27年10月23日(金)都道府県会館で開催されました。
講演会に先立って、鶴野理事長の挨拶、ならびに濱口一色尚次賞選考委員長から
「H27年度一色尚次賞」選考経過報告が行われました
(選考経過の詳細はトップページを参照)。
鶴野理事長の挨拶では、スターリングエンジン普及における課題は大別して
@市場開拓、A安心してSEが利用できる枠組み作りにあると考え、@市場開拓には2つの課題:
一つは市場ニーズとスターリングエンジンのマッチングを如何に図るか、換言すれば市場ニーズが求める
“スターリングエンジンはどのようなものか”、を見出すことである。
二つ目はFITやCO2排出権取引など諸制度を活用するビジネスを創り出していくことであろうとの考えを述べました。
今現在は、第一の市場に係わる課題の解決が重要であることも付け加えておりました。なお参加者は総勢46名でした。
以下に演題と講演者を記します。 | |
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(1) |
平成27年度一色尚次賞について |
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一色尚次賞選考委員長 濱口 和洋氏 |
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(2) |
世界の実用スターリングエンジンの動向 |
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明星大学 副学長 濱口 和洋氏 |
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(3) |
木質バイオマス利用の現状と課題 |
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森林総合研究所林業システム研究室長 久保山 裕史氏 |
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(4) |
ADMIEXCOエンジンの開発状況とビジネス構想 |
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ADMIEXCOエンジン設計株式会社 代表取締役 宮内 正裕氏 |
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(5) |
実用的メタン発酵装置を導入したスターリングエンジンによる発電実験 |
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筑波大学名誉教授 (樺}波バイオテック研究所代表取締役) 前川 孝昭氏 |
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<各講演の概要> |
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| 平成27年度一色賞 選考経過報告 濱口 和洋氏 | |
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本年度一色賞への応募はなく、一方本協会調査にもとづく一色賞候補の検討を行ったものの該当者がなかったために、
一色賞(含奨励賞)授与を見送った旨の報告があった。
なお選考委員会としては来年度に向け優れた候補が現れることを期待していることが付け加えられた。 |
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| A |
| 濱口 和洋氏講演 | |
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スターリングエンジン開発企業の消長は激しい。
しかし現在生き残っている主要なエンジンは後続の企業により引き継がれて今日に至っている。
本講演は主要な実用スターリングエンジンのメーカー名を挙げて、それぞれのエンジンの開発の流れ、
販売状況の説明があった。また今後期待されるスターリグエンジンの出力及び用途として、下記のとおり挙げた。
1)発電出力:
・1〜3→5〜10→30〜kWというように出力が大きくなる
2)用途:
・木質バイオマス利用CHP←ペレット、チップ、ガス化
・家庭用CHP←灯油、木質ペレット、都市ガス
・低純度メタンガス利用CHP←埋立処理場、畜糞尿、下水処理場
・太陽熱発電←直達日射量の多い地域
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| B |
| 久保山 裕史氏講演 | |
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木質バイオマスの注意点、木質バイオマス発電事業の現状と課題、および未利用バイオマス供給の今後について述べられた。
とくに木質バイオマスエネルギー利用は熱利用が経済的に可能であること、
またFIT制度により木質バイオマス発電事業の急増し燃料需要が拡大しているので、
今後低コストのバイオマス供給システムの構築が必要であることを強調されていた。 |
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| C |
| 宮内 正裕氏講演 | |
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小型分散型需要向けの木質バイオマス燃焼の3.7kWスターリングエンジンの開発進捗状況につき説明があった。
同スターリングエンジンは、循環流式スターリング機関による木質バイオマスの直接燃焼発電方式を採用、
試作1号機を改良した試作2号機により現在発電実証中であって、目標出力3.7kWに対し、
現在2.88kW(注:充電圧補正発電出力)の達成状況にある、また目標出力達成のためには、
燃焼炉の改善や、小型分散発電方式に適したパワーコンディショナーの開発が必要との見解があった。 |
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| D |
| 前川 孝昭氏講演 | |
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メタン発酵を導入したスターリングエンジンによる発電について、同氏が実際に行ってきた開発・実証試験をベースに
スターリングエンジンへのメタン発酵の活用と経済性を高める方策について述べられた。加えて、
水素エネルギー利用システムによる地球温暖化防止技術の動向について説明があった。 |
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